一昨日、愛社精神の低下についてのニュース(地元の新聞では昨日の朝刊に掲載)が目に留った。
入社先に愛社精神を持っている人は、来春春に就職予定の学生では8割以上に達するのに対し、入社2~5年目の若手社員では約5割にとどまっているいるという。
”愛社精神”がなくて、企業は成長・発展するのか?そもそも”愛社精神”って一体何なのだろうか?
景気が悪くなると、「○○株式会社野球部廃部」「株式会社××、バスケットボール部休部」とかよく目にします。経営再建を最優先するために、野球にバスケット、バレーなんかしている場合じゃない・・・・・というところでしょう。今更、持ち出しても仕方のない話ではあるが、”TOYOTAのF1撤退”もその一つでしょう。
今秋、Blogに書いたとおり、鈴鹿サーキットにF1を見に行きました。観客数は激減、メインスタンドにも空席目立つ・・と記事に書かれていた通り、なにかもの淋しく感じました。
その後、TOYOTAは”F1撤退”を発表。
HONDAが昨年末にF1から撤退し、2009年我が国からは唯一TOYOTAのみが参戦する状況下に、昨年までの富士スピードウエイよりも遥かに本社から近い鈴鹿。全社員挙げて大応援団を形成し、スタンドが埋め尽くされる光景が実現できていたならば、”F1撤退”も「苦渋の決断」ではなく「有終の美」と称されたかもしれません。
全世界に中継放映されるF1で、全社員が一同に介して愛する会社を応援する。スタンド一杯にTOYOTAのフラッグが振られる。そんな光景を見せられていたら・・・・仮にレースで優勝できなかったとしても、「世界のTOYOTA」ここにあり・・を誰しもが思ったのではないでしょうか。
どんな会社でも、全社員が”愛社精神”を携えて同じ方向を向いて突き進む姿。どんな言葉、どんなプレゼンテーションより価値があり、何も語らずとも、そんな社員の造り出すものは優れたものであり、必ずや売れるであろう。
古き良き時代・・・特に高度成長期には、「全社員一丸」となって・・・という光景を良く目にした気がします。根底には、まさに”愛社精神”があったのでしょう。
冒頭の記事ではないが、今では逆に”愛社精神”という言葉すら死語になってしまっていないだろうか。
記事には、・・入社後も愛社精神を保ち続けるには、部下のやる気を引き出す上司のサポートが欠かせない・・と記述しているが、そういう意味では、社外にアピールできるスポーツ(部活動)は、社員挙げて応援することにより”愛社精神”を盛り上げる担い手になるのではないか・・・・・。
利益追従のために経費を節減する・・・その代償に”愛社精神”が失われてしまっては、結局のところ会社の成長・発展はないと、私は思う。