亀井金融担当大臣の「モラトリアム」発言が波紋を呼んでいる。
未だ先行きが見えない景気に逼迫している中小企業や個人債務者にとっては有難い話ではあり、亀井氏を”神様”とあがめる人も出てきていると言う。一方金融機関は、モラトリアム制度の新設による収益の低下や延滞増加等を懸念して反発姿勢をみせている。
中小企業との仕事に携わる私自身は、基本的にはモラトリアム制度には賛成である。
昨年夏頃まで、そう、サブプライムローン問題が表面化しリーマンショックが起きる直前まで、右肩上がりの景気を追い風に躍進(増収増益)を続けていた親会社である大企業からの供給に応えるため、多くの中小企業は、工場の新設や増設・拡張、最新鋭の設備の導入、人材の増員等に手掛けていました。
金融機関には設備資金調達を依頼し、逆に金融機関も中小企業に対し資金貸出の売り込みを積極的に行っていました。
まさかこんな時代が到来するとは・・・
9/15にある会社の社長のことをblogに記しましたが、この時期、会社を整理し清算できる会社は幸せです。現在、殆どの会社は、収入の激減に固定費を賄うのがやっと。人件費軽減のために苦渋の決断でリストラをすすめる会社。整えた設備も稼働しない日が続く・・。
昨年末からセーフティネットを利用して運転資金を調達した企業は相当数に上ると聞く。
その後も、資金不足からあらたな運転資金調達申込が増加しているという。
こんな状態を続けていくと、いつかは借金が「雪だるま」状態となるであろう。
私は亀井氏の発言以前に、CLIENTには、金融機関に追加資金を依頼するよりも既存債務の条件変更を依頼するよう勧めてきた。
償却前利益さえ望めない今、元来、利益からしか払えない返済元金を払うためには、自己資金を投入するか新たな借金をするほか手立てがない。自己資金には当然限りがあり、借金返済のために借金をすれば前述の通り果ては「雪だるま」。
中小企業のみならず、個人債務者、特に「住宅ローン」を抱える中小企業に勤めるサラリーマンにとっては、休業日の影響から月々の手取り額は減少し、賞与の支給すら当てにならない状況が続いている。備蓄も底をつけばボーナス返済なんて出来るはずもない。
だったら、条件変更、究極は「返済猶予」が理にかなっている。そういう意味では、基本的にはモラトリアム制度には賛成できるのである。
が、しかし・・・何かが足りない。
仮に3年間の猶予が実現しても、3年後の実体経済が今と何ら変化がなかったら・・・?
「いつかは景気は回復するだろう。」と、ある人は言う。その根拠は?
景気が回復するためには、消費の増加がカギを握る。
先の返済猶予が実現しても、経営や生活にゆとりが生まれるわけではない。
消費が増加するためには、企業の収入の安定が不可欠である。
企業の収入が安定すれば、そこに勤める給与所得者の収入も安定する。
給与所得者の収入が安定すれば、安心感が生まれ個人消費が増加する。
個人消費が増加すれば、企業に収入(収益)を齎す(収入の安定化が図れる)。
すなわち金がくるくると循環することで、円滑な経済が保たれる。これは、誰でもわかる。
では、一体何処が起点となるの?
モラトリアム制度は、”基本的には”賛成と言ったが、消費の増加を促す政策を一対となって行わなければ、効果はない。
内需の活性化(拡大)は、資金のゆとりがなければ見込めない。外需も、世界同時不況から、各国とも口を濁しているが、「保護主義」を押し進めている様相で輸出産業は苦戦を強いられている。またここにきて為替の動きも足かせになっている。
政府は、「モトリアム制度」実現と同時に「消費増加」に向けた一手を打ち出す必要に迫られる。
どんな手を打つのか見ものです。その政策が的を得ていなければ、やはり、金融機関からの反発は必至。
そして、その一手が「こども手当」なら・・・・とても残念です。
話は変わりますが、
9/30. 今日は、自分の48回目の誕生日でした。
また1つ歳をとりました。
そして今日、誕生日プレゼントが届きました。
プレゼントの中身は・・・・・10/4に判ります。