トヨタが今年限りでF1から撤退すると伝えられた。
数日前には、ブリジストンも来年以降のF1でのタイヤ供給をやめると発表したばかりだ。
ホンダは昨年限りで既に撤退している。
伝えられているとおり、これで日本勢が完全に撤退することとなった。
ホンダが撤退を発表した時と同様に今回、トヨタも苦渋の決断であったのだろうと思う。
年間90億円以上かかるといわれているF1費用。現在の経営環境では、その費用を他事業に向ける決断は賢明だと思う。
そもそも90億円の拠出には、クラウンなら何台売らなければならないのだろうか・・ヴィッツなら・・?
あくまでも1台あたりの利益ベースの積み上げで90億円。
昨年3月期までの景況感なら大したことのない数字かもしれないが、各ディーラーが販売に四苦八苦する現在ではこたえる数字でしょう。
2002年からの8シーズン。モータースポーツの頂点と言われるF1に参戦したことで、TOYOTAの世界的知名度が上がったのは事実であり、費用対効果は充分あったと思われる。ただ、一度も「優勝」の二文字を勝ち取れなかったのも事実であり、そういう意味ではインパクトに欠けたと言わざるを得ないが・・・。
今年10月、F1観戦に鈴鹿サーキットに足を運んだことは前にも書いたが、来年はどうしようか迷う。
日本の自動車メーカーもタイヤメーカーも撤退。ドライバーズシートも日本人ドライバーの獲得が難しい状況。JAPANの部分がなくなってしまえば興味は半減、いや全く失せてしまいます。
国内レース、GTがある・・・とは言うものの、こちらも、あれこれ噂されていて雲行きが怪しそう。
F1はともかく、国内モータースポーツさえも衰退するようだと、車に対する魅力は益々薄れていくであろう。各自動車メーカーが凌ぎを削り競い合うモータースポーツから自動車に対する憧れや購買意欲をそそられる人は少なくない。
いくら自動車専門誌が書きたてても、リアルには敵わないのだから。
現代のモータースポーツは、猫の目のように変わるレギュレーションに開発競争。レース車両が市販車と乖離し、別次元での戦いがおこなわれているのも確か。コストが掛かるのも当然である。
F1撤退の記事は残念であり、状況を考えれば仕方がない。
いっそのこと市販車ベースで競い合うモータースポーツも良いのではないかと思ったりもする。これなら、コストもかからないし、より身近に感じられる。
是非ともモータースポーツの灯は消さずにいて欲しい。今後の自動車産業発展のためにも。