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社長さんの挑戦。

今年の3月、一つの提案をした。「資格を取得する気ありませんか。」と。
2年前の秋。リーマンショック、トヨタショックと世界経済を揺るがす事件が起きた。

その年の12月。製造業を営んでいた社長さんは、一つの決断を下す。
・・・会社を閉めることにする。

その時、自分は社長さんの決断の是非は正直なところ判らなかった。

オバマ大統領に代わって米国経済が回復するのではないだろうか。1年後には日本経済も・・自動車産業も好転するのではないだろうか。当時は、日本政府も著名な経済評論家も答えを出すことは出来ないでいた。ただ一つ・・「負のスパイラル」という言葉が毎日のようにマスコミを中心に取り上げられていたことは記憶にある。

昨年の春。自分としては顧問税理士として出来得る最大限の有効な手段を尽くして会社の清算手続きは終了した。社長さんには今までの感謝の気持ちを伝え、暫くは奥さんとゆっくり旅に出るなりして体を休めたらどうかと話した。

清算後も社長さんとは定期的に会うことにしていた。

日々悪化する景気の動向を伝えると共に新たなビジネスチャンスはないものかを考えるためだ。

リーマンショック、トヨタショックからちょうど1年経った昨秋。

50半ばにして、ゆっくり過ごす生活に、社長さんにもやはり焦りが生じたのでしょう。

「こんな仕事の話があるのだが、どうしたもんでしょう・・・」と2つ3つ尋ねられた。

「いいんじゃない」と言ってしまえば簡単かもしれないが、自分としては言えなかった。

社長さんとは十数年来の付き合い。

長所も性格も概ね熟知している。それを考えると、何れの話もちょっと違う・・と感じられた。

今年に入り、個人の確定申告が終了した頃、ある事が自分の頭の中で閃いた。

・・・これなら、バッチリ合う仕事だ。資格取得のハードルは高いが、取得さえできれば鬼に金棒。これこそ社長さんの天職しゃないか・・と。

ただ、これを言い出すには・・・・・少々勇気がいった。なにせ、資格取得には試験に合格しなければならず、そのためには机に向かって受験のための勉強をしなければならない。

自分としては頭の中での葛藤はあったものの、インターネットで資料を収集し、そして、3月半ば、冒頭の提案を試みた。

話は少しはずれるが、資格試験というものは、時間と集中さえあれば合格できるものである。合格した後、ビジネスに繋げることの方が実際には難しい。例えば、自分のように税理士試験に合格したからと言って即、仕事の依頼があるかと言えば決してそうではない。最難関と言われる司法試験に合格した人でも仕事にありつけない時代だ。そういう意味では、社長さんの場合、合格さえすれば全く問題はない。何故ならば、人脈を含めて周りの環境は、既に整っているのだから・・・・。

話を戻す。提案をすると、意外?にも積極的に耳を傾けてくれた。そして、その日のうちに名古屋の専門学校へ電話を入れ、3月終わりから、その学校に通うことを決めた。それも夫婦揃って・・・。

あれから5ケ月が経とうとしている。

お会いする時は専ら、受験勉強の話で終始する。

週2回の授業を1日も休まず通っているとは、頭が下がる。

8月最終日の今日。陣中見舞いをかねて訪ねてみた。

試験は10月半ば。残り50日を切ったところだ。

1年前とは、いや半年前とは、社長さんの形相は明らかに違う。間違いなく活き活きしている。

発表は12月。

祝賀会は盛大にやろう!!・・思いっきりハッパをかけて社長の事務所を後にした。

ある社長さんの挑戦である。

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扶養控除是正通知

毎年この時期になると前年の所得に対する「扶養控除等是正通知書」が税務署から発送されます。今年も数件のクライアントに届きました。
年末調整を行う際、会社は従業員から提出された”扶養控除等申告書”に基づいて扶養控除の額を計算します。 扶養控除等申告書には、従業員各人が「どなたを扶養しているか」を記載するものであり、一般的には「父母」「配偶者」「子供」が対象となります。
但し、対象となる者が基礎控除(38万円)を超える所得を取得している場合には、被扶養者からは除かれます。
このことは、世間一般、どなたもご存じだと思います。 「旦那の扶養に入りたいから、パート収入を103万円までに抑えてます。」・・・よく聞く話です。
それでは、何故「扶養控除等の是正」が発生するのでしょうか?
ここ数年来の傾向を纏めると、大きく次の4つに原因がありました。
一つ目は、「103万円を超える給与収入があったけれど、そんなに多くないからバレることはないだろうと思っていた・・・・。」 残念なことに、世の中そんなに甘くない。被扶養者が仮にパートやアルバイトであっても、その勤めている会社が、税務署や市町村に源泉徴収票を提出することで判ってしまうのです。
二つ目は、「そんなに稼いでいたとは、知らなかった・・・。」 言っている意味が良く分からないかも知れませんが、要するにコミュニケーション不足。 「息子とは日頃会話する機会が乏しく、アルバイトをしていることは知っていたが、そんなに稼いでいるとは・・・。」がよくある例。扶養義務者の思い込みに因るものと言えます。
三つ目は、二重扶養。例えば、母を自分の扶養に入れていたが、実は父の扶養にも入っていたというような場合。こちらも、二つ目同様にコミュニケーション不足から生じることが多いようです。
最後は、”103万円のマジック”。 あくまでも扶養に入れることが出来るのは、被扶養者の年間の所得金額が基礎控除(38万円)以下であることが条件。 パート収入やアルバイト収入は「給与所得」に分類されます。「給与所得」には、「給与所得控除」が認められていて、この給与所得控除後の金額が所得金額となります。 被扶養者が103万円のパート収入の場合、給与所得控除額は65万円ですから、103-65=38万円が所得金額となり、基礎控除(38万円)以下だから、扶養に入れることができるのです。
ところが、給与所得以外の所得に10…

俺たちの勲章・・・

最近、BSチャンネルで昭和のドラマや映画に嵌っている。
今晩は、俺たちの勲章。
松田優作に中村雅俊、坂口良子・・・
ロケ地が伊良湖岬に篠島。地元にだけに昔の風景に感動!
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高校生の頃、大ファンだった坂口良子。久しぶりに当時の映像見てあの頃が懐かしい。坂口良子が前略おふくろ様で板前役を演じたショーケンの恋人役だったことから、自分もショーケンになりきろうと角刈りにしたことを思い出す・・。

10月後半からは、「俺たちの旅」が放映される。
エンディングに流れる詩が素敵だ。


そしてもう一つ・・・「傷だらけの天使」。是非再放送して欲しい・・ショーケンと水谷豊のコンビ、「アニキ~」のフレーズ・・・久しぶりに見てみたい。




当時のドラマには現代ドラマにはない味がある。





経営者の資質

先日「愛社精神の低下」について語ったが、その続きと言ってはなんですが・・逆に経営者はどうあるべきかについて思うところを書いてみたくなった。ちょっと長くなりますが、興味のある方はお付き合いください。
ご存じの通り、中小企業のその殆どが「同族会社」と言われるオーナー企業である。 会社の株はオーナー一族が持つ場合が多く、株主総会は形式だけで済み、取締役会では、オーナーの一存で会社の方針を決することさえできる。即ち社運はオーナー(経営者)に懸っているといっても過言ではない。
そんなオーナー企業だからこそ、経営者の資質が重要となります。
偉そうなことを言うつもりはないけれど、企業が成長をし続けるために企業の経営者は、次の四つの資質を備えなければならないと常々思っている。
第一は、社外でなく社内からの意見に耳を傾けること。最終的には経営者の判断に委ねることになるのですが、社内からの意見に耳を傾け、特に反対意見に聞く耳を持ってほしい。このご時世に、NOと言える社内の意見は、貴重です。 往々にして社外からの意見に耳を傾けたがる経営者が多いように思われますが、よく考えてみてほしい。社外の人間が、社内の人間より会社の実態を解るはずがないのです。他人事ですから、責任のある意見なんかしません。まことしやかな意見をする者がいたならば、まずは何か他に目的があるのではないかと疑う方が賢明です。
第二は、会社を成長させようとする志を社員と共有することです。一人社長は別として、社員を抱える経営者は、社員あっての会社であるという認識を持ってほしい。喜びも苦痛も共に共有することで”愛社精神”が培われ、それが後々莫大な力となって会社は成長を遂げることでしょう。経営者も頑張っているのだから社員も頑張ろう・・という信頼関係の構築こそが、成長への近道。経営者は常に「他人に厳しく、自分にも厳しく」あるべきです。社員に義務ばかり押し付け、自分に甘い経営者に誰がついていくでしょうか。
第三は、自らの会社の財務諸表を読む力を養わなければならないことです。「売上高」・・「粗利」「経常利益」・・「当期利益」だけを気に掛ける経営者では話になりません。経営セミナーや講演会に熱心に足をはこぶくらいなら、商工会議所の簿記3級講座を受講した方が、余程かためになります。簿記の知識を身につけると、経営戦略が自ずと見えてきます。
最後は、会社の資本力を増…