8/31/2010

社長さんの挑戦。

今年の3月、一つの提案をした。「資格を取得する気ありませんか。」と。
2年前の秋。リーマンショック、トヨタショックと世界経済を揺るがす事件が起きた。

その年の12月。製造業を営んでいた社長さんは、一つの決断を下す。
・・・会社を閉めることにする。

その時、自分は社長さんの決断の是非は正直なところ判らなかった。

オバマ大統領に代わって米国経済が回復するのではないだろうか。1年後には日本経済も・・自動車産業も好転するのではないだろうか。当時は、日本政府も著名な経済評論家も答えを出すことは出来ないでいた。ただ一つ・・「負のスパイラル」という言葉が毎日のようにマスコミを中心に取り上げられていたことは記憶にある。

昨年の春。自分としては顧問税理士として出来得る最大限の有効な手段を尽くして会社の清算手続きは終了した。社長さんには今までの感謝の気持ちを伝え、暫くは奥さんとゆっくり旅に出るなりして体を休めたらどうかと話した。

清算後も社長さんとは定期的に会うことにしていた。

日々悪化する景気の動向を伝えると共に新たなビジネスチャンスはないものかを考えるためだ。

リーマンショック、トヨタショックからちょうど1年経った昨秋。

50半ばにして、ゆっくり過ごす生活に、社長さんにもやはり焦りが生じたのでしょう。

「こんな仕事の話があるのだが、どうしたもんでしょう・・・」と2つ3つ尋ねられた。

「いいんじゃない」と言ってしまえば簡単かもしれないが、自分としては言えなかった。

社長さんとは十数年来の付き合い。

長所も性格も概ね熟知している。それを考えると、何れの話もちょっと違う・・と感じられた。

今年に入り、個人の確定申告が終了した頃、ある事が自分の頭の中で閃いた。

・・・これなら、バッチリ合う仕事だ。資格取得のハードルは高いが、取得さえできれば鬼に金棒。これこそ社長さんの天職しゃないか・・と。

ただ、これを言い出すには・・・・・少々勇気がいった。なにせ、資格取得には試験に合格しなければならず、そのためには机に向かって受験のための勉強をしなければならない。

自分としては頭の中での葛藤はあったものの、インターネットで資料を収集し、そして、3月半ば、冒頭の提案を試みた。

話は少しはずれるが、資格試験というものは、時間と集中さえあれば合格できるものである。合格した後、ビジネスに繋げることの方が実際には難しい。例えば、自分のように税理士試験に合格したからと言って即、仕事の依頼があるかと言えば決してそうではない。最難関と言われる司法試験に合格した人でも仕事にありつけない時代だ。そういう意味では、社長さんの場合、合格さえすれば全く問題はない。何故ならば、人脈を含めて周りの環境は、既に整っているのだから・・・・。

話を戻す。提案をすると、意外?にも積極的に耳を傾けてくれた。そして、その日のうちに名古屋の専門学校へ電話を入れ、3月終わりから、その学校に通うことを決めた。それも夫婦揃って・・・。

あれから5ケ月が経とうとしている。

お会いする時は専ら、受験勉強の話で終始する。

週2回の授業を1日も休まず通っているとは、頭が下がる。

8月最終日の今日。陣中見舞いをかねて訪ねてみた。

試験は10月半ば。残り50日を切ったところだ。

1年前とは、いや半年前とは、社長さんの形相は明らかに違う。間違いなく活き活きしている。

発表は12月。

祝賀会は盛大にやろう!!・・思いっきりハッパをかけて社長の事務所を後にした。

ある社長さんの挑戦である。

(法人税)慰安旅行

従業員レクリエーション旅行の場合は、その旅行によって従業員に供与する経済的利益の額が少額の現物給与は強いて課税しないという少額不追及の趣旨を逸脱しないものであると認められ、かつ、その旅行が次のいずれの要件も満たすものであるときは、原則として、その旅行の費用を旅行に参加した人の給与...